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信託報酬とは?投資信託のコストが将来に与える影響

信託報酬は、投資信託を持っている間、毎日少しずつ差し引かれる費用です。自分で支払う手続きはなく、基準価額に反映される形で負担します。率は商品ごとに決まっていて、長く持つほど差が大きくなるため、商品を選ぶときに確認しておきたいポイントの一つです。

持っている間ずっと投資信託を持っている限り、毎日少しずつかかる
自動で差し引き自分で払う手続きはなく、基準価額に反映される
長いほど差が出る率のわずかな差でも、長く持つほど結果の差が大きくなる

信託報酬とは?投資信託を持っている間にかかる費用

信託報酬とは、投資信託を運用・管理してもらうための費用です。「運用管理費用」とも呼ばれます。投資信託を持っている間はずっとかかり、売ってしまえばかからなくなります。

信託報酬は「純資産総額に対して年◯%」のように年率で決められています。ただし、年に1回まとめて払うのではなく、1日分ずつ計算して、毎日、投資信託の資産(信託財産)から差し引かれます。

ふだん目にする投資信託の値段(基準価額)は、信託報酬を差し引いたあとの金額です。そのため、自分でお金を振り込むような手続きはなく、気づかないうちに負担しているのが特徴です。

ポイント 信託報酬は、運用の成績に関係なくかかります。値下がりして損をしている期間でも、差し引かれます。

いくら差し引かれる?計算のイメージ

100万円分の投資信託を1年間持ち続けた場合の、おおよその信託報酬は次のとおりです。

信託報酬(年率) 1年間の負担(めやす) 1日あたり(めやす)
年0.1% 約1,000円 約3円
年0.5% 約5,000円 約14円
年1.0% 約10,000円 約27円
年2.0% 約20,000円 約55円

※持っている金額が1年間ずっと100万円のままと仮定した、おおよその金額です。実際は、基準価額の上がり下がりによって金額が変わります。

信託報酬は誰に支払われる?3つの会社の役割

投資信託には、3つの会社がかかわっています。信託報酬は、この3社で分け合う形で支払われます。

会社 主な役割
運用会社(委託会社) どの株や債券を買うかを決め、運用の指図をする
販売会社(証券会社・銀行など) 投資信託を販売し、購入や換金の手続きなどを行う
信託銀行(受託会社) 投資家から集めたお金や株・債券などの資産を保管・管理する

信託報酬の率は商品(ファンド)ごとに決まっています。そのため、同じ商品であれば、どの証券会社や銀行で買っても、信託報酬の率は基本的に同じです。証券会社ごとのちがいは、証券会社の選び方でまとめています。

信託報酬とほかのコストのちがい

投資信託にかかるコストは、信託報酬だけではありません。かかるタイミングで分けると、次のようになります。

コスト かかるとき 内容
購入時手数料 買うとき 販売会社に支払う。かからない商品(ノーロード)もある
信託報酬(運用管理費用) 持っている間ずっと 信託財産から毎日差し引かれる
その他の費用 持っている間 監査の費用や、ファンドの中で株などを売買するときの手数料など。信託財産から差し引かれる
信託財産留保額 売る(換金する)とき 販売会社ではなく信託財産に残される。かからない商品もある

購入時手数料や信託財産留保額は、買うときや売るときの1回だけかかるものです。一方、信託報酬は持っている間ずっとかかります。長く持つほど、トータルの負担に占める信託報酬の割合は大きくなります。

なお、「その他の費用」の中には、ファンドの中での売買の量によって変わるため、事前に金額がわからないものもあります。

長く持つほど差が大きくなる理由

信託報酬は毎年かかるため、率のわずかな差でも、長い期間で見ると結果に大きな差が出ます。信託報酬で差し引かれた分は運用に回らないため、その分の値上がりも受け取れなくなるからです。

100万円を30年間持ち続けた場合(仮定の計算)
信託報酬 年0.1%約236万円
信託報酬 年0.5%約210万円
信託報酬 年1.0%約181万円
信託報酬 年2.0%約135万円

計算の条件(仮定):100万円を一度に投資し、運用で年3%増え続け、そこから信託報酬の分を毎年差し引いたと仮定(年3%−信託報酬の率で複利計算)。税金・購入時手数料・その他の費用は考えない。年3%は計算のための仮の数字で、将来の成果を約束するものではない。

この仮定では、信託報酬が年0.1%と年1.0%の場合で、30年後に約55万円の差になります。同じ計算で20年間の場合は、投資信託の記事でも紹介しています。

ポイント ここでの計算は、運用成績を同じと仮定したものです。実際の運用成績は商品ごとに異なり、値下がりして元本を下回ることもあります。

インデックスとアクティブで信託報酬はどうちがう?

投資信託は、運用の方法によって大きく2つに分けられます。信託報酬の水準も、運用の方法によって傾向がちがいます。

インデックスファンド アクティブファンド
運用の目標 日経平均株価やS&P500などの指数と同じような値動きを目指す 指数を上回る成績を目指す
信託報酬の傾向 低めのものが多い(年0.1%を下回るものもある) 高めのものが多い(銘柄の調査などに手間がかかるため)
気をつけること 指数が下がれば、同じように値下がりする 指数を上回れるとは限らず、下回ることもある

信託報酬は、商品によって年0.1%を下回るものから、年2%を超えるものまで幅があります。

○ いいところ
  • 信託報酬が低いと、持っている間のコストを抑えやすい
  • 率は商品ごとに決まっていて、目論見書などで事前に確認できる
  • 信託報酬が高めのアクティブファンドは、指数を上回る成績を目指して運用される
△ 気をつけること
  • 信託報酬が低いからといって、成績が良いとは限らない
  • アクティブファンドは、信託報酬が高いうえに指数を下回ることもある
  • 信託報酬だけでなく、運用の方針や中身、ほかのコストもあわせて確認する必要がある

信託報酬は「低ければよい」「高いから悪い」と一つの数字だけで決まるものではありません。何に投資する商品なのか、運用の方針や過去の値動き、ほかのコストとあわせて比べることが大切です。

信託報酬はどこで確認できる?

信託報酬の率は、主に次の方法で確認できます。

  1. 目論見書を見る商品の説明書(目論見書)の費用について書かれた欄に、信託報酬の率(年率)が書かれている
  2. 商品ページを見る証券会社や銀行のサイトの商品ページでも、信託報酬の率が表示されていることが多い
  3. ほかのコストも見る購入時手数料・信託財産留保額・その他の費用もあわせて確認する
図1:信託報酬を確認する流れ

確認するときは、次の点にも注意しましょう。

  • 税込か税抜か:信託報酬には消費税がかかります。表示が税込か税抜かをそろえて比べます
  • 投資信託に投資する投資信託:ほかの投資信託を組み入れている商品(ファンド・オブ・ファンズ)は、組み入れ先の信託報酬も間接的に負担します。多くの商品では、組み入れ先の分も含めた「実質的な信託報酬率」が目論見書に書かれているので、そちらを確認します
  • ETFにも信託報酬がある:上場している投資信託であるETFにも、持っている間の信託報酬がかかります

よくある質問

Q. 信託報酬は自分で支払う必要がありますか? 支払いの手続きは必要ありません。信託報酬は投資信託の資産から毎日差し引かれ、その分が基準価額に反映されます。

Q. NISAで買った投資信託にも信託報酬はかかりますか? かかります。NISAで非課税になるのは、売却益や分配金にかかる税金です。信託報酬は、NISA口座でも通常の口座と同じように差し引かれます。NISAの始め方はNISAの始め方で紹介しています。

Q. 同じ投資信託なら、どこで買っても信託報酬は同じですか? 信託報酬の率は商品ごとに決まっているため、基本的に同じです。ただし、購入時手数料は販売会社によって異なることがあります。

まとめ

  • 信託報酬は、投資信託を持っている間ずっと、毎日少しずつ差し引かれる費用
  • 支払いの手続きはなく、基準価額に反映される形で負担する。運用成績に関係なくかかる
  • 率のわずかな差でも、長く持つほど結果の差が大きくなる
  • ただし、信託報酬だけで商品の良し悪しは決まらない。運用の方針やほかのコストとあわせて目論見書で確認する

NISAで投資信託を選ぶときの考え方はつみたて投資枠と成長投資枠の使い分け、投資信託そのもののしくみは10分でわかる投資信託で解説しています。取引したい商品から証券会社を探すときは、証券会社マッチングも使ってみてください。

(主な参考:一般社団法人 資産運用業協会(2026年4月に投資信託協会と日本投資顧問業協会が統合)「投資信託を学ぼう:コスト」)

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